超成熟赤石社会における戦士復権ストラテジー【前篇】




ザ・マイノリティ


すでに成熟した赤石世界における我ら戦士の明日は何処?







βテスト時やGv黎明期ならばいざ知らず、現代の赤石における貴君らの戦士に対する印象・考え方はこのようなものであろうと予想する。



・なんで剣士にならないの?
・効率悪くない?




確かに貴君らの意見はわかる。鏡の魔法書が実装し、そこから発展するT力比率指TRS指、その他優れた鏡装備の普及に伴い、カンストが当然のようになってきた昨今、我ら戦士の立ち位置は日に日に……



ん?なに?それは戦士自身が考える勝手な印象に過ぎんと?客観的な視点をなくして真の姿を論じる事はできず、そのための客観的な意見は、何の衒いも無く市井に問いを投げかけてこそ得られるものである、だと?



……ふむ、なるほど確かに一理ある。私は戦士に対して深い愛情を注ぎ、同時に深く理解をしているつもりではあるが、なればこそ市井の意識と幾分かの乖離があろうことは認めねばなるまい。


ついては、記事を起こす前段階としてフランデル大陸横断インタビューを試みることとしよう。









集中してます

もっともな意見だ。木工所はあまり静かな職場とは言えない。
仕事の邪魔をするのは戦士として、いや人として無粋である。次に行こう。






ハイドアンドシーク

暇そうに見えたが、どうやらこちらもお取り込み中のようだ。
次。






大食漢におれはなる

どうやら息子か何かと間違われてしまったようである。食い気味の解答もなんだか心地よい。
今夜はたくさん食べることにして、次へ。






脅迫

誇り高き戦士にシーフギルドの一味などと無礼千万な話だが、子供が言う事だから大目に見てやろう。
紳士としてはむしろ彼の精神状態が少々気になるところであるが、次へ行こう。






怪しい関係

…単なる”知り合い”なのかちょっとアレな”お友達”なのかで大分意味合いが変わってきそうである。
”仲がいい”と”いい仲”にも似た感覚があるが……いずれにせよ子供が知るには早すぎる。








どうやらにいる人たちは皆忙しいようだ。
屋内にいる人にあたってみよう。







強盗

それもそうだ。






知ってた。

ですよね。









屋内は屋内で問題があるようだ。

というか冒険者のいちスタイルである戦士の事を問うのだ、餅は餅屋ということで冒険者に訊いた方がいいだろう。

できれば転生者など熟練の冒険者が適任だろう。









エルドーシャ親子

熟練の弓使い、早期転生者として名高いエルドーシャ女史に伺ったつもりだったが、御嬢さんのライシャちゃんが答えてくれた。
さすがは早撃ちの娘だ。将来が楽しみである。










子連れは子連れでまた難しいようだ。

というか、見ようによっては人気のない場所に住む若い母親に迫っているように見えなくもない。

こちらとしては至極純粋な気持ちから問うているのだが、この場合は警戒するなと言う方が無理な注文というものだろう。











だがしかし…子連れでなく、男性であり、かつ熟練の冒険者となると……もはやしかいるまい。




ルーカス







リンチ

























うっぷん晴らしの壺





ルーカス浄化







……ふむふむ、なるほどそういうことか。貴s…いや、貴君らの考えはよく判った。

どうやら私が予期していたよりも事態は深刻なようだ。市民権を得るどころか認識すらされていないとは……いいだろう、本日はまず戦士に関する啓蒙を主眼に据える事にしよう。






手始めに、とある赤石のスキルについての話をしよう。

赤石のスキル、と一口に言っても様々あるが、もちろん今回語るのは戦士のスキルである。このスキルを紹介する事により、戦士の包括的な話題を提供する呼び水としたい。




まずはこちらをご覧いただきたい。



オルター



これはかのオルターリングヒッター……そう、全職を見渡してもいずれ並ぶもののない、恐らく最も攻撃的な戦士スキルである。


その恐るべき破壊力たるや折り紙つきのものであり、某国のコンバタントもその技術を学びに、彼の地よりはるばるフランデル大陸に足を運んだというほどのものだ。

その威力はあたかも……いや、この説明に言葉は不要か。











写真とは時に、どのような力ある言葉よりも雄弁である。

ピューリッツアー賞を受賞した”ハゲワシと少女”などは中でも顕著な例と言えよう。









すなわち、オルターの破壊力を説明するにはこの一枚で事足りる。

野犬いじめ



いかがであろうか。もちろん、純粋な物理戦士に比すれば到底及ぶべくもない力なれども、オルターの素晴らしさを喧伝するには十全たるものであると……




…何だと?お前にケビン・カーターほどの才覚があるのか、だと?

ふむ確かに、もっともな意見だ。ではその凄みを補完する説明を幾許か添えておくことにする。





まずオルターの特徴として目につくのは、その長大な射程である。


なんと一回の跳躍で10mの距離を稼いでしまう超人的な技である。さすがにランサーのワールランニングには及ばないとはいえ、あちらは普通に地面を駆けて最大20m移動するのに対し、オルターはただの一度跳んだだけで10mの距離を稼ぐ神の妙技だ、そもそも次元が違う。

しかも驚くなかれ、我ら戦士はこれを助走無しで可能にしている。参考までに立ち幅跳びの世界記録は4m弱、三段跳の世界記録ですら18m代である。

まさしく神の妙技であるということがおわかりいただけただろうか。








次にあげるべきはその尋常ならざる攻撃性能の高さであろう。マスター時で攻撃回数6回、最高で攻撃回数12回に達する。



スキル形態の在り方から当スキルとよく比較されるディレイクラッシングと並べても、攻撃倍率で勝っている。

さらに付け加えるならば、10mもの距離を一息で跳躍した後の着地間際という大変不安定な姿勢での斬撃にも関わらず、命中率は少しも減じる事がない。これは驚異的な事実であろう。



筆者もかつて立ち幅跳びを計測した経験があるが、着地と同時に大剣を振り回して体育教師に12回も斬撃を加える余裕などはとてもなかったことから、戦士の驚異的な身体制御能力がうかがえる。これのような神業はとても他職には真似できまい。









……さて、ここまでオルターの誇る驚異的な、名実ともに戦士屈指の、いや全職でも最強のスキルとしての名声をほしいままにしているはずであろう性能について論じてきたが、ここで非常に単純な、ひとつの疑念が鎌首を擡げてはこないだろうか。



そう、





なぜ誰も使わないのか?と。










問いがシンプルであればあるほど、答えが複雑を極めるということはしばしば起こりえる。




例えば、フェルマーの大定理などがその代表格だ。


最終的にアンドリュー・ワイルズリチャード・テイラーが証明を完了するまで、どれだけの名もなき数学の戦士たちが志半ばで道を諦めていったのだろうか。

中には努力が実を結んだ者もいるだろうが、殆どの者は後世に語り継がれる事も無く儚く消えたのだろう。





とはいえ私も名もなき戦士の一人である。赤石戦士の考察ために志半ばで野たれ時ぬことがあったとすれば、それはですらある。





勢いは十分。
本題へと移ろう。






単純な疑問を解決するには、視点を変えて眺めて見る事がしばしば有効である。
これまではオルターの素晴らしさに胸打たれその利点ばかり述べてきたが、ここでいったん見方を変え欠点に目を向けていこう。















一つ目。

オルターは“多段攻撃”であると先に述べた。

それこそがオルターの特異なる点なのであるが………多段攻撃ではあるものの、同時多段攻撃ではないのである。

これは現代の赤石においては非常に残酷な事実である。

狩りであれ対人戦であれ、同時多段攻撃スキルの優位性は圧倒的なものであり、何人もそれを覆すことはかなわない。





…だが。

10mを一息で跳躍するような超人的な運動性能を誇る戦士が、同時多段攻撃を繰り出せぬはずがないのだ。繰り出さないのは何か理由があるはず。





その昔、対人戦において”ラグ○○”というワードがやり玉に挙げられた事があった。


ある程度以上攻撃速度を確保した状態で、”パラレルスティング””ビットグライダー”などを繰り出すと、攻撃モーションが正しく表示されなくなってしまう現象の事である。


攻撃速度品が出回るとともに一般化してきた現象であるのだが、当時はそれなりに批判の的となった。語感が小気味良かったせいか、特に”ラグパラ”という言葉が氾濫していた憶えがある。それこそ「ラグパラ乙」とか、「ラグパラ禁止」といった形で。


そしてこのラグ現象はそう、主に同時多段攻撃スキルにおいて起こっていた現象だったのだ。







……おわかりいただけただろうか?

戦士はいついかなる場合においても他の模範として行動しなければならない。


”ラグパラ””ラグビット”、その是非はともかくとして、当時は少なからず批判の声があったのは確か。


ならば戦士としては、そういったスキルの使用は自粛していかねばなるまい。



つまり戦士は同時多段攻撃ができないのではなく、敢えてしないのである。


戦士の生態に詳しいR氏によれば、戦士はそれこそ本気を出せばオルターなどは同時255段攻撃スキルぐらいにはなるという。


しかし敢えてこれをせず、ただの多段攻撃として行使する事こそが美学なのだという。



この行為は確かに戦士としての性能を損ねている。しかし、あまねく衆生の模範にならんとする高潔な姿を保ちつづける、それこそが戦士なのだ。















二つ目。


オルターは移動と攻撃の二面性を持った稀有なスキルである。

特に最大射程10mを活かした奇襲攻撃は相当の脅威だろう。オルターの一撃で狩れるmobであれば、相手の攻撃を受けることなく狩りを行えるわけだ。それは例えるならこのように。



将軍という立場にありながらも自然破壊を憂う慈悲深い心を持ち、植林に勤しむオーガゼネラル。その一心不乱な背中に、一人の戦士が襲いかかる。


開戦の相図


この戦士の所業は非人道的だが、仕掛ける方としてはなかなかに爽快なのだろう。






だがオーガゼネラルはその名の通り将軍である。そうそう簡単に倒れる事はない。

彼にも守るべき妻子があり、部下があり、生活があるのだから。従って、いかに強力なオルターであろうと一撃で倒しきることはかなわない。


そこで、植林をしている背中に奇襲をしかけた直後に離脱、距離をとってから再びオルターを仕掛ける戦法をとることになる。いわゆるヒット&アウェーというやつだ。


しかしオーガゼネラルは将軍だ。戦略や兵法を語らせれば右に出る者などない。相手の意図を即座に読み取り、このように強烈な反撃を繰りだす事など造作も無い。


要するにスキルの当たり判定処理がおかしい




オーガゼネラルの一撃が強烈であることは今更疑いようがない。植林の邪魔をされた怒りも込めてか、ご丁寧にLucky!!とまで出ているのだ、それこそ芯でとらえた会心の一撃なのだろう。




しかし特筆すべきはそこではない。


戦士は未だ空中で舞っている最中、両者の距離には未だ相当の開きがある。にもかかわらずオーガゼネラルは何故こんな芸当をやってのけることができたのか。

いくら将軍とはいえ、空間を捻じ曲げる事などできないはずだ。





……と、ここまで申し上げれば、勘の良い方はもうお気づきになったであろう。


そう、彼の持つ棍棒はただの棍棒にあらず。『西遊記』の主人公が用いる伝説の武器、如意金箍棒に類する品であることは疑いようがない。


とはいえ原典である如意金箍棒は8トンもの重さをほこるため、いかに力自慢のオーガといえど軽々と振り回す事はできないであろうから、恐らく後世の辣腕鍛冶師が扱いやすいように改良した物だろう。


これを基に、オーガの大魔王シュウがドレム川付近に大規模な生産施設を造らせているという話もあるようであるからして、オーガ界ではかなり普及している代物のようだ。




なお今回カチコミをかけたオーガゼネラルは将軍という立場上、見境なく攻撃を仕掛けてくるような軽率な真似はしないわけだが、血気盛んなオーガたちの中には近づいただけで自分から喧嘩を吹っかけてくる輩も存在する。

そのような輩にオルターを仕掛ければ、跳躍した瞬間にもれなく先制攻撃されてしまうわけであるから、重々留意しなくてはならない。





それにしても、どれだけ遠くから跳ぼうとも、はたまた背後から忍び寄るようにして跳ぼうとも、何故か確実に先制攻撃を受けてしまうオルターとは何なのか。


もちろん、オーガの大魔王シュウの課す厳しい訓練が実を結んでいるということもあるだろう。


だが実は、戦士自身がオルターで跳ぶ前に大声で「いざ、尋常に!」などの口上を述べているのだ。



よく見れば先ほどの戦士も開戦の相図を叫んでいる。血気盛んな相手にこんなことをすればこちらが殴るよりも先に殴られてしまう……ということは当然わかった上で、しかしやはり戦士は口上を述べるのだ。





この行為は確かに戦士としての性能を損ねている。しかし、奇襲スキルを行使する段においても武人の鑑として行動するその高潔さ、これこそが戦士なのだ。












三つめ。

オルターはジャンプ系スキルのひとつに数えられる。

オルター以外にはジャンプ、ジャンプ攻撃、ワイルドスタンプの3種類がある。





赤石世界で無心に跳び続けてそろそろ11年


その間に、筆者はひとつ気付いたことがある。


気付いたと言っても本当に薄々、敢えて意識しなければ本当に気付かないほどの微々たる話なのだが……









ちょっとだけ、動きが遅い、気がする。








もちろん、そんなに大した差ではない。

例えば、WIZのテレポーテーションが

「転送!」

という感じだとしたら、


戦士のジャンプは

「よっしゃ、さぁー跳ぶか!うんしょっと!うひょーーー!風が気持ちいーーー!おっしゃ着地だ、どっこいしょ!」


という感じだろうか。さほど大きな違いがない事は見て判るだろう。




そもそも跳躍して山なりの軌道を描く必要がある以上、直線的な移動を行う他職の移動スキルに比べて多少遅くなってしまうのは当然の話である。



『協会支援と恩寵石などを併用して走った方がずっと速い』などと鬼の首でも取ったかのようにがなりたてる輩もいるが、浅慮の極みとして恥ずべき所業である。







それに何より、対人戦フィールドにおけるジャンプには大変な価値がある。


戦士というのは紳士であるからして、対人戦にはあまり積極的ではない。たび重なる要請があって初めて参戦を決意する者が殆どで、そもそも少数派である上にそのストイックさから崇拝の対象になる。


対人戦フィールドで普通に走っているだけでも参列者が絶えることなく集まり人気者たりえる、ただでさえそんな状況なのだ、そこから更にジャンプをしてしまえば……その神秘性ゆえ信者が殊更に殺到してしまう事は言うまでも無い。


特に最近は女性の信者の増加が著しい。そして彼女らは女性であるという共通点のみならず、戦士との同一化を図るためか両手持ちの武器を携えて参列する点も共通している。


思春期の子供等が憧れの芸能人の真似をする事が往々にしてあると思うが、まさにそれである。



更に最近では、戦士を独り占めするために足が速くなりたい、という理由でちびっこに大人気のあの”瞬足”を履いてきてしまう信者までいるのだ。



霊術遭遇1


霊術遭遇2


霊術遭遇3


霊術遭遇4


霊術遭遇5


霊術遭遇6



このように、信仰心の強さとはしばしば猟奇的なそれへと変容し得る。


崇めるあまりに想いが強くなり過ぎ、独り占めしたい、独り占めできないなら、いっそ私の手で……と思い詰め、着地先に先回りしてくる信者が後を絶たないのだ。




とはいえ彼女らが悪いわけではない。



山なりの軌道を描いてやや長めの滞空時間をとり、実に美しいフォームで跳躍する戦士の姿。これがあまりに神々しく、その雄姿にあてられてしまっただけなのだ。



つまりジャンプをすることで同時に布教をも可能にしているのだ、であれば何度回り込まれようが今後も高く高く天へ向けて跳躍し続けなくてはならない。






この行為は確かに戦士としての性能を損ねている。しかし、たとえ自らの身を滅ぼそうとひたむきに民草の啓蒙に努める、これこそが戦士なのだ。














さて。


視点を変えて考察したところ、たしかに欠点は存在した。


だがそれらは単なる欠点ではなく、ひとつひとつが彼らの矜持であるという事も同時に判明した。



なればこそ、戦士は赤石の世界ではある意味本気を出せない仕様であるも同然であろう。


常に他の模範となるという宗旨を変えるわけにはいかぬからその事に不満はないが、ジャンプ系スキルにのみ、あまりに制約を駆けすぎてしまった感は否めない。





だが今回の記事をしたためる間に、ジャンプ系スキル、特にジャンプに関して筆者はひとつの可能性を見出した。



この可能性を伸ばす事が出来れば、異常なまでに制約の多いジャンプもあるいは実用レベルに押し上げる事が可能であろう。





次回はその可能性をいかにして現実のものとして昇華するか、それを妄想していきたいと思う。






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コメント

かつてのドラツイの威力は辺り一面を
氷河時代の再来かと思わせる程の威力であったが
悲しいかな、寒い気候は世間に嫌われる

気候が暖かい、更に暑いとなると
世の紳士は淑女の透けブラという伝統の良さをかみしめる

戦士一族の衰退にはそのような背景があるにも関わらず
規制されてもなおドラツイは絶対最凶の業なのだ!

Re: タイトルなし

> ななしさん
ありがとうございます。
紳士の伝統からドラツイを語られるとは、戦士の中の戦士とお見受けしました。
そして文章から発せられる只ならぬその熱気、是非とも見習いたく思います。

戦士はハリケンという多段スキルがあるじゃないか(数がたりない)

Re: タイトルなし

> 蒼の戦死☆さん

ありがとうございます。
そうですね、打ち下ろし・水平振り回し・強突きそれぞれの長所を備えた優秀な多段スキルであることは間違いないと思います。
覚醒で9段になるとかいう噂があった気がしますが、どこいったんでしょうかね…。

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